皆様への年末のご挨拶(2024-12-30)

皆様には、1年間大変お世話になりました。

今日は少し、ある青年のお話を共有させてください。

 

彼は生まれつきダウン症を抱え、障害者の作業所で働いていました。

日給は500円。

昼食代を引くと、手取りはわずか50円。それでも彼は家族と笑顔で過ごしていました。

 

文字を書くことが苦手な彼が家族の出版した本のページ番号を手書きで記した際、その不揃いな数字がデザイナーの目に留まり、新しい商品のデザインとして採用されたのです。

その結果、作業所の30年分に相当する大金を得ました。

 

家族は、彼がそのお金で欲しかったゲームソフトを買うだろうと思っていました。

しかし彼は次の日、大好きなハンバーガーを買ってきて、家族にふるまったのでした。

戸惑う家族が「ありがとう!ごちそうさま!」 というと、「いいよ」 と顔をほころばせて笑いました。

その後も毎日家族のためにお菓子やジュースを買い、結局自分のために何も買いませんでした。

 

家族は気づいたのです。

彼が憧れていたのは、お金そのものでもゲームでもなく、「大切な家族のためにお金を使うこと」だったのだと。

誰に教わったわけでもなく、彼は最も自分がやりたいことにお金を使ったのです。

 

お金をうまく稼ぐ才能がなくても、 うまく使う才能のほうが、 よっぽど人を幸せにするのかもしれません。

これは、「人が喜ぶことで自分も幸せになれる」というシンプルな真理です。

 

皆さんも、汗水たらしてゲットした初任給で家族にささやかなプレゼントを買った日のことを覚えていますか?

あの喜びを、あの感動を。

 

師走の忙しい毎日を送る中で、ぜひ大切な人のことを少し思い出してください。

そして、ささやかな形でも感謝を伝える機会を持ってみてください。

もしかすると、それが今年一番の幸せな瞬間になるかもしれません。

 

皆様にはご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

健康に留意され、良いお年をお迎えください。

1年間ありがとうございました。

 

2024年12月30日

有限会社 伊豆介護センター

代表取締役 稲葉 雅之