「介護給付費分科会」における弊社代表稲葉の発言について(2016-06-11)

 第129回社会保障審議会介護給付費分科会が、6月2日(水)午前10時より、ベルサール九段で開催され、「平成27年度の改定検証調査報告」や「平成28年度の改定検証調査」等について議論が行われました。

 委員として出席している弊社代表稲葉の発言は下記のとおりです。



○稲葉委員 

  平成28年度の事業というために限定するつもりはないのですが、今後のサービスの質の評価に関する調査研究について3点ほど意見を申し上げたいと思います。まずサービスの質を向上させるためには、サービスを提供する事業者が質の向上の努力をするほかはない。それで質向上の努力のモチベーションとなるのは、サービス提供事業者にとっての、例えば加算がつくとか、また利用者から選ばれる、選ばれたいということになるわけです。現実には選ばれるためにはケアマネジャーが間に立って紹介するという実態があります。したがって、公に認められた質の評価基準に照らして、質の高いサービス提供事業所をケアマネジャーが利用者に紹介するという流れができるならば、サービスの質は上がっていくはずだと考えます。
 
 そこで、ケアマネジャーや利用者が納得して使える評価システムというものを目指していただきたいというふうに思います。そうなると先ほどから出ておりますケアマネジャーの公正中立という点においても、認められた評価に照らしてサービス提供事業者が選ばれるという点においては、文句なくといいますか利用者の利益に対して適切な紹介が行われているという公正中立性の確保にもなるのではないかと考えます。
 
 2点目です。その評価の対象がサービス行為そのものなのか、サービス行為を行う個人であるのか、またサービス提供事業所なのかなどをちょっとこれまでのいろいろな事業を見ていくと少しわかりづらいところがあったので、分けて整理して調査研究が進められることを望みます。

 3点目です。サービス提供事業所の質を考えるときには、例えば介護福祉士であるとか、専門職のことはよくクローズアップされますが、実際に事業所内では、管理者、その事業体によって施設長とか主任とかリーダーとなるような、実際に管理や指導を行う立場の人の影響が少なくはありません。ですので、そういった管理指導を行う立場の人の機能やその影響などについても触れながら調査研究を進めていただくと質の向上が進むのではないかと考えますので、よろしくお願いします。